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日本代表はAFCアジアカップ2007の予選2試合を戦うため、8月31日に中東に出発します。9月3日にジェッダでサウジアラビアと、そして3日後の9月6日にサヌアでイエメンと対戦します。ひとつだけ言っておかなければならないのは、イエメン戦は8月16日に新潟で対戦したときとはまったく違った試合になるということです。 サヌアは標高2300メートルの高原の都市です。しかも、この地域には極端に緑が少ないため、通常ならば標高3000メートルにあたる平地の4分の3程度しか酸素濃度がないといいます。新潟ではとにかく0−0の引き分けにすることをめざして自陣に引きこもっていたイエメンですが、9月6日の対戦ではホームの利を生かして積極的な試合に出てくるのではないかと予想されます。5万人を超すサポーターの前で戦うイエメンをあなどることはできません。 ■アジアカップ予選、うまく行けば9月6日に… この2試合が終わると、アジアカップ予選はあと2試合となります。10月11日(水)のインドとのアウェーゲーム(バンガロール)、そして11月15日(水)のサウジアラビアとのホームゲーム(会場未定)です。 アジアカップ予選は4チーム中2チームが勝ち抜きます。順位決定方式は、昨年のワールドカップ予選と同じで、勝ち点が同じ場合には当該チーム同士の対戦成績が優先されます。すなわち、3日のサウジアラビア戦の結果にかかわらず、サヌアで勝利を収め、同じ日の試合でサウジアラビアがホームでインドに勝てば、日本は2試合を残して出場権獲得が決定することになります。 ■驚くほど短い練習期間 ことしの日本代表ゲームはもう1試合。10月4日、インドに出発する前に国内で親善試合が予定されています。この週末にはJリーグがなく、予定されていたナビスコ杯準決勝第2戦も9月に繰り上げられたため、オシム監督は2日(月)からインド遠征終了まで10日間をチームとともに過ごすことができることになります。もし9月の時点で出場権が確保できていれば、試合を気にすることなく充実したトレーニングをすることが可能になるかもしれません。 7月に就任して以来、毎日のように新聞の見出しになっているオシム監督ですが、9月までは驚くほど短時間しか練習時間がありませんでした。 8月9日のトリニダードトバゴ戦に備えて3日間、16日のイエメン戦に備えて3日間、9月3日のサウジアラビア戦前には2日間、6日のイエメン戦前にも2日間。合計10日間で、そのうち試合の前後の日が合計6日間もあります。しかも、8月上旬からの連戦で、選手たちには疲労がたまっています。 ■「試合か、トレーニングか」は監督が決めるべき 「才能のある選手たちを集め、彼ら自身で試合を進めさせる」という方針をもっていたジーコ前監督とは異なり、オシム監督は自分の考えるサッカーを猛練習を通じて習得させるという考えです。代表チームにクラブチームのような練習時間がないのは当然のことですが、それにしても現在の状況は練習日が少なすぎます。集まって試合をしているだけという状況であると言っても過言ではないでしょう。 10月4日の対戦相手はまだ決まっていないようですが、それならいっそのこと、試合をやめ、トレーニングにあてるという考えも成り立ちます。どちらにするのか、それは、チームの総責任者であるオシム監督が決めるべきです。誰でもそう思うはずです。 ところがそう簡単でないのが現在の日本代表なのです。10月4日の試合は、単なる国際親善試合ではありません。日本代表のメインスポンサーであるキリンビールとの契約で行われる試合なのです。監督が試合をしたいかどうかという前に、日本サッカー協会が試合をすることを決めてしまっているのです。(つづく) 第208回 オシム監督のサッカーと日本代表のこれから(上) 8/18 大住良之(おおすみ よしゆき) 1951年神奈川県横須賀市生まれ。中学生のとき66年ワールドカップ・イングランド大会の放送を見てサッカーにのめり込む。74年一橋大学卒業後、ベースボール・マガジン社入社、「サッカー・マガジン」編集部勤務。78年より編集長。82年同社退職後、(株)アンサー所属。88年よりフリーランスのサッカージャーナリストとして活動。 74年西ドイツ大会以降7回のワールドカップ取材をはじめ、多くの国際大会、世界各国のサッカー事情を取材。新聞・雑誌を中心に執筆活動を続けている。 アジアサッカー連盟「1998年フットボール・ライター・オブ・ザ・イヤー」受賞。 「日本サッカーライターズ協議会」事務局長。 女子サッカーのクラブチーム「FC PAF」監督。 <主な著書> 「理想のフットボール 敗北する現実」(双葉社 2004) 「代表戦記」(日本経済新聞社 2004) 「がんばれ! 女子サッカー」(共著 岩波書店 2004) 「アジア最終予選」(双葉社 2005) |
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