フットボールの真実 大住良之

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help リーダーに追加 RSS 第212回 Jリーグはレベルアップしているか(下)

<<   作成日時 : 2006/11/08 10:38   >>

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 ことし、日本代表の監督が代わり、選手も大幅に入れ替わりました。前任者の前では候補にも挙がらなかった選手たちが選ばれ、ポジションを与えられて、いきなり国際試合の舞台に放り込まれながら、Jリーグで見せているのと同じような、あるいはより良いパフォーマンスを見せてくれているのは、頼もしい限りです。

 その背景にあるのは、「良いサッカーをしよう」というJリーグ各クラブの取り組みのおかげにほかなりません。

 昨年の後半から力をつけ、今季は優勝争いにからむ強さを見せている川崎は、FW我那覇和樹、MF中村憲剛を日本代表に送り込みました。代表初出場でガーナの強力FWと対等に渡り合った千葉のDF水本裕貴、19歳で日本代表デビューを果たした大分のMF梅崎司など、ほとんど「無名」の存在だった選手たちが堂々と日本代表のユニホームでプレーできていることが、Jリーグのレベルの高さを証明しています。

■Jの欠点は代表の欠点でもある

 もちろん、課題はまだたくさんあります。「試合運び」がまだまだ未熟です。キックオフから試合終了までをどのような「ストーリー」でもっていくかという感覚、そして点差や残り時間を考えての的確なプレー選択など、選手たちはもっともっと考え、賢明で効果的な試合運びを身につけなければなりません。

 さらに、フィジカル面では、パワー、持久力とともに、まだまだ足りません。各クラブがフィジカル強化に取り組むとともに、選手たちがプロとして自覚をもった取り組みをする必要があります。

 試合運びの稚拙さとフィジカルの弱さは、そのまま日本代表の欠点でもあります。90分間走り、賢明にそして効果的に戦い続けることができなければ、オシム監督が目指す「日本人の特徴を生かしたサッカー」は実現されません。

■スタジアムで見るべき終盤のJリーグ

 しかしこうした課題以上に、現在のJリーグは魅力にあふれています。残り5節となった時点で、まだ4チーム(浦和、G大阪、川崎、そして清水)に優勝の可能性が残されています。最終節で浦和とG大阪が優勝をかけて直接対決という可能性も大きくなってきました。「安全圏」の15位広島に8勝ち点差の福岡もC大阪も、そして12勝ち点差の京都も、まだ残留の可能性を残しています。そして5位鹿島から15位広島までの11チームには、2位から15位までのあらゆる可能性が残されているのです。

 Jリーグには、1位2億円から7位1000万円までの賞金がつけられています。優勝争い、残留争いだけではなく、中位の順位争いからも、最後まで目が離せない状況になるでしょう。J1の残り5節、全45試合。どの試合も、スタジアムに足を運んで見るに値する試合になるはずです。(了)


大住良之(おおすみ よしゆき)
1951年神奈川県横須賀市生まれ。中学生のとき66年ワールドカップ・イングランド大会の放送を見てサッカーにのめり込む。74年一橋大学卒業後、ベースボール・マガジン社入社、「サッカー・マガジン」編集部勤務。78年より編集長。82年同社退職後、(株)アンサー所属。88年よりフリーランスのサッカージャーナリストとして活動。
74年西ドイツ大会以降7回のワールドカップ取材をはじめ、多くの国際大会、世界各国のサッカー事情を取材。新聞・雑誌を中心に執筆活動を続けている。
アジアサッカー連盟「1998年フットボール・ライター・オブ・ザ・イヤー」受賞。
「日本サッカーライターズ協議会」事務局長。
女子サッカーのクラブチーム「FC PAF」監督。
<主な著書>
「理想のフットボール 敗北する現実」(双葉社 2004)
「代表戦記」(日本経済新聞社 2004)
「がんばれ! 女子サッカー」(共著 岩波書店 2004)
「アジア最終予選」(双葉社 2005)

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